自分とのつきあい方―自己肯定感について考える―

自己嫌悪で辛かったり、自分に自信が持てなくて悩んでいる方へ。

苦手なことからは逃げたっていい【経験談その1】

何回かに分けて、自分のことを少し書いてみます。

それぞれの記事にたまにぼかした感じで書いたりはしていたのですが、一度整理しておいた方がより言いたいことが伝わるかなあと思ったので。

私が自己肯定感を失った直接のきっかけは、高校の部活動でしていたバスケットボールでした。

中学校の時にバスケ部に入り、一番下手だったんですが、それでも高校でバスケを続けることを選びました。理由は、下手なまま終わってしまうのが悔しかったというのと、中学校の頃は貧血で運動自体が非常にしんどかったから、それでうまくなれなかったのだという思いからです。貧血は薬をきちんと飲んでいれば大丈夫なので、今度は薬をきちんと飲んで練習すればうまくなれる、頑張ろうと考えました。

それで、高校でもバスケ部に入り、自分で言うのもなんですが相当努力したと思います。もともと負けず嫌いなのもあって、毎日誰より早く朝練・練習に行って練習し、家でも30分~1時間くらいはボールハンドリングや筋トレをしました。テスト期間中も外を走って体力を落とさないように気を付けていました。毎日練習の反省のノートも書いていました。

中高一貫校だったので中3の夏から高校の部活に参加しており、それからずっと上のような生活を続けていました。寝ても覚めても部活のことしか考えていませんでした。でも、全然上手になれませんでした。客観的に見てどのくらいかは分かりませんが、部活の誰よりもボールを扱うこと、パスやキャッチ、ドリブルが下手でした。そして高校2年生の春、中学1年生が練習しているのを見て、1年半頑張っている私より始めて1ヶ月とかのあの子らの方がドリブルがよっぽど上手だな、と感じてしまったんですね。

その時に、自分の手はバスケに全く向いていないんだなと思いました。キャッチの時もドリブルの時も、手がボールをはじいてしまう感覚があって、それがもうなんというかどうしようもないんですよね。ボールに慣れていないとかそういうレベルじゃなく、もっと根本的に手が人と違う。こんなにやっても初心者の方が上手なのだから、自分はどんなに頑張ってもうまくなれないんだ、と自分自身に絶望しました。うまくなくてもいいから体力つけたりディフェンスとか頑張ればいいじゃん、って思う方もいるかもしれませんが、当時の私はそうは思えませんでした。基礎が圧倒的に人よりできないということがスポーツにおいて相当つらいことは、スポーツをやっていた方ならわかると思います。

そこから高校3年生で部活をやめるまでの1年ちょっとは地獄のようでした。努力は認められて副部長にはなったのですが、普通の人が簡単にできることが全然できずに怒られてばっかりで、いつも劣等感で暗い顔をしていました。自分自身に絶望しているので泣くことすら少なく、本当に感情が死んでしまったかのような日々でした。今でもほとんど記憶はありません。

でも、負けず嫌いが邪魔をして部活を辞めることはできなかったんですね。それくらいなら死にたかった。自殺は親が悲しむので、自転車で駅まで行くときに「運よく酔っ払い運転の車が轢いてくれないかな」とか駅で電車待ってるときに「誰か電車が来るタイミングで突き飛ばしてホームに落としてくれないかな」とか日々思っていました(笑)。

この時に「自分は根本的に人より劣っているんだな」ということが深く刻み込まれてしまったんですね。それで、部活を引退した後にそれがどんどんひどくなっていくんです。その後のことは、また次に書こうと思います。

とりあえず、ここまでを振り返った時に私が思うのは「高校3年間がもったいなかった」ということです。部活を辞められなかったのは、やりきるって自分で決めたのもありますが、それ以上にコーチや仲間の目を気にしてしまったということがあると思います。辞めるのは逃げだ、かっこ悪い、という価値観を超えられませんでした。もし途中で辞めて、もっと自分が向いていることを続けていたら今全然違う道を歩んでいたかもしれないと思うと残念です。少なくとも、高校生活はもっと幸せに送れていたはずで、非常にもったいなかったなと今思います。

それに、その後劣等感に数年間苦しんだ期間ももったいなかった。そのせいでできなかったことがたくさんありました。なので、もし今部活で苦しい人や自分に向いていない仕事でつらいと思う人がいたら、声を大にして言いたいです。逃げろ、と。継続は力なり、なんて本当に向いてないことには通用しない。頑張りが足りないんじゃない、得意な人が頑張るのと苦手な人が頑張るのではその苦しみには天と地ほどの差があります。だから、自分を嫌いになる前に、劣等感が身に染みついてしまう前に、逃げてください。かっこ悪いことでもなんでもない、自分がもっと生かせる場所を見つけてください。日本社会は、努力がすごく大切にされる社会ですし、諦めることや辞めることは「逃げ」だとされます。でも逃げていいんです、そんな誰が決めたのか分からない価値観よりも自分自身の方がよっぽど大切です。人の目が冷たく感じるかもしれないけれど、そんなの時が経てばすぐに薄れます。どうか、自分自身を一番に大切にしてほしい、私を反面教師にしてほしい、そう願っています。

次回は続きを書こうと思います。

 

夕(ゆう)

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