自分とのつきあい方―自己肯定感について考える―

自己嫌悪で辛かったり、自分に自信が持てなくて悩んでいる方へ。

「仕事ができる」ってなんだろう?

いつも見てくださって、ありがとうございます。

今回は、「仕事ができる」という褒め言葉について、疑問に思うことを書きます。

「あの人、仕事できるよね」「今度の後輩がほんと、仕事できなくて困る」といったように、私たちは日々「仕事ができる」「仕事ができない」という言葉を使って人を褒めたりけなしたりしています。なんだか、「仕事ができない」と言われると、全人格を否定されたような気になるのは私だけでしょうか。存在価値がない、と言われているような辛さを覚えます。

でも、じゃあその「仕事ができる」ってどういうことだろう?と考えてみると、社会人経験のない私が語るのもなんですが、大体次の3つくらいなんじゃないでしょうか。

①物事をミスなく、効率よくできる

②人にいい感じを与える気遣いやふるまいができる

③新しい企画や工夫を思いつくことができる

いかがでしょうか。もっと他にある、という声もあるかもしれませんが、まあいったんこの3つとして考えてみたいと思います。

では、なぜ仕事においてこの3つが大切なのか?

結局のところ、会社や組織に金銭的な利益を与えるためなのではないか、と私は思っています。①はコストを減らすため、②③は売り上げを伸ばすために重要なことですね。人間関係は契約につながりますし、新しい企画も、基本的にはそれが利益になる限りにおいて、認められるものですよね。

もちろん、そうではない領域というのは存在するでしょう。学校の先生や福祉に携わる人にとっては、「仕事ができる」というのは少し違う意味合いを持つかもしれません。

でも、たとえば相談業務でも、本当に親身になって相談を受けて、結果として長い時間を相手のために費やす、というのが毎回の人というのは、周囲から白い目で見られたりしますよね。もし仕事において一番大切なことが「他の人のためになることをする」なら、いくら時間がかかっても親身になって相談を受ける人が最も「仕事ができる」のではないでしょうか?

しかも、仕事の場だけでなく、それ以外の人間関係にもこうした価値観というのは入り込むことがあるように感じます。私たちは、日々の中で友人や自分自身をこうした「仕事ができるか」という観点で測ることがあるのではないでしょうか。

つまり、私たちは、お金を稼げるか、またはお金を組織に稼がせることができるか、という観点で人の価値をある程度測っているのだ、というのがここで言いたいことです。そうして、本当にそれでいいのだろうか?ともっとみんな疑問に思ってもいいんじゃなかろうか、と思っています。なんだか、すごくせちがらくて、生きづらい。窮屈な感じがします。

じゃあ、もし、お金がなくても生きていける世の中だったらどうでしょう?月5000円くらいあれば必要な衣食住が賄えて、働いてもいいし働かなくてもいい、そんな状況だったら、私たちは少なくとも自分を資本主義的な価値で測る必要がなくなるのではないでしょうか。最低限生活していくのにお金がかかるから、たくさん働かなければいけなくて、自分の「仕事のでき」や位置を常に確かめなければいけない。もしお金がなくても生きていけるとなったら、別に仕事ができようができなろうが大して気にしなくなるかもしれません。

たとえば、自分で畑を持ったとして、それでもたくさん、効率よくできた方がいいと思うんじゃないの、と言われるかもしれません。でも、仮に自分ひとりが食べる分だけ作って、他の人に売ることを考えないのであれば、効率のよさを追求する必要もあんまりありません。技術の進歩した現代では、生きていくだけならば、別に効率よくなくたって、特に問題ないような気がします。

日本がかつてのような経済成長をすると期待できない現代では、いかに金を持たずに暮らすか?が大切になってくるような気がします。グローバル化した経済は不安定ですし、お金がないと生きていけないのでは、何かあったときにすぐ死んでしまいます。

だから、これからは「シェア」や「自給」がアツいんですね。ちなみにアメリカや他の先進国では、「たくさん働いて、たくさん消費する」というお金をたくさん使う考え方は「時代遅れ」だと考える人も多いです。環境の持続可能性という点から考えても。

たとえば、多くの先進国には「タイムバンク」と呼ばれる仕組みがあったりします。誰かに何かをしてあげた時間と同じだけの時間、自分も何かをしてもらうことができる時間通貨の概念です。1時間ガーデニングをしてあげるから、1時間ベビーシッターをしてもらう、ということが、お金を介さずにできるわけです。英語のサイトですが、詳しくは以下にあります。

hOurworld Directory of TimeBanks, Community Directory: An International Network of Hour Exchanges (time banks)

欧米ではかなり広がっており、先進国でこの仕組みがないのは日本くらいのようですね。また、安く旅行できる仕組みも最近はいろいろとあります。Airbnbはよく知られていますが、カウチサーフィンというような、もっと安く人の家に泊まれる制度もあります。日本では利用者が少ないようです。

 

www.airbnb.jp

www.couchsurfing.com

 

ある程度人数がいるなら、一軒まるごと借りられるHomeawayなどを使うと、かなり安く済みそうです。大人数なら、ひとり1000円から2000円程度でかなり快適に泊まることもできます。(ホームアウェイで世界100万軒以上の家から、あなたの休日にピッタリの家を見つけよう!

きっとそのうち、お金がかかって環境に悪いやり方は「かっこ悪い」という時代が来るような気がします。そのときのために、今から少しずつできることをやるのもいいんじゃないかな、と。そしてその方が、自分の価値というものをはっきりと認識できるのではないか、と私は思っています。

それでは今日はこの辺で。今日も空は広い。