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自分とのつきあい方―自己肯定感について考える―

自己嫌悪で辛かったり、自分に自信が持てなくて悩んでいる方へ。

根本橘夫『なぜ自信が持てないのか 自己価値感の心理学』【書評】

こんばんは。今日は根本橘夫『なぜ自信が持てないのか 自己価値感の心理学』(PHP研究所、2007年)を読んだ感想を書きます。著者は東京家政学院大学の教授で、教育心理、性格心理を専攻にしている方のようです(当時)。

一言で言うと、読まなきゃよかった、と思いました。が、そんなにひどい本だという訳ではないんです。ただ、これは自己肯定感が低い人が読むのは危険だと思います。

前提となっている自己価値感について少し説明を。自己価値感とは、「自分に価値があるという感覚のこと」(p18)で、自信や自己肯定感、有能感などを含む概念だそうです。私は初めて聞きました。

で、問題なのは第一章で自己価値感がある人とない人の様子や行動を比較している部分ですね。問題といっても自己価値感がきちんとある人にとってはなんでもない話なんだと思います。努力の仕方や決断の方法、人生や他人に対する態度、考え方など様々な観点から比較が行われているのですが、そこを読んで私は死にたくなりました(笑)。自分は自己価値感のある人間には程遠いんだな、と思ったことと、自己価値感がない人間(すなわち自分)はこんなにいろいろな点で駄目な人間なんだな、と思ってしまったことが理由です。

たとえば、こんな箇所。「自己価値感人間は、外界と自分との関係を信頼しているので、関心や諸欲求が自己と外界へバランス良く向けられています。このために、彼らの価値観や判断・行動は偏りがなく、民主的・社会的価値と合致しています。(中略)いっぽう、自己無価値感人間は、自己価値を脅かされる不安と、無価値感を補おうとする強迫的な欲求に突き動かされて外界に接します。ですから、いつでも外界へ警戒的な態度をとり、人の目が気になることになり、自分自身のままでいることができません。自分を人と比べて値踏みするようにもなります。」(p43~44)

他の項目もこんな感じで、徹底的に自己価値感に低い人を批判しているように読めてしまいます。また、確かにそうかもしれないなと思う部分もあるんです。でもだからこそ余計に傷つくんですね。自分はだいぶ自己肯定感が回復したと思っていましたが、まだまだなんじゃないか、そしてこのままでは外界との接し方も、努力も人生も結局うまくいかないんじゃないか、そういう風に思ってしまいました。そして3日間ほど本当に落ち込んでいましたが、反撃のためにこのブログ記事を書いています(笑)。

また、自己価値感が低い理由は主に幼少期の頃の育てられ方にある、と著者は言っています。でも、本当の原因というのはそうそう分からないですし、それを鵜呑みにするのはまずい気がしました。

そして、一番大切と思われる第六章「自己価値感を修復する実践法」。そうそう、これが知りたいんだよ、と思いながらページをめくりましたが、それができたら苦労しないわ!の連続でしたね(笑)。列挙してみると

・自分と自分の人生を受け入れる

・無価値感を埋めるのではなく、幸福である努力をする

・幸福の条件の一つは周囲の人と心通わせあう生活。友だち、恋人、夫や妻、子ども、孫、両親など周囲の人に自分のそばにいてくれることを感謝し、素直に接する

・幸福の条件、もう一つは自分が心から満足できる行動をすること。趣味や仕事、ボランティアなどなんでもいい

・自分のこれまでを受け入れ、感覚、感情、欲求、衝動などをありのままに感じ、それを素直に行動に表す

・友情を大切にする、愛情を深める

・仕事に打ち込む

・良き相談相手を持つ

・転職など新たな一歩を踏み出す

もしかしたら参考になる人もいるかもしれませんが、私は少なくともまさに上に挙げたことができないから悩んでいましたし、今も悩んでいます。周りの人に素直に接したり感情を素直に感じて表現できたら誰もこんな自己嫌悪に陥らないんだって!(笑)。ただ方向性を明示してくれたのはよかったかな。これは自己価値感を得るための具体的な方法というよりは、目標として捉えるものだと思います。

ということで、自己肯定感をどうやったら得られるのだろうか、探求は続きます。