自分とのつきあい方―自己肯定感について考える―

自己嫌悪で辛かったり、自分に自信が持てなくて悩んでいる方へ。

【ひとやすみコラム】自分について悩む若者は増えている?

周りを見ていると、自分が嫌いだ、自信が持てない、劣等感があるなどで悩んでいる人は案外多いのだなあと感じます。自分がそうだったからセンサーが良く働くということもあるかもしれませんが、自分について考えざるを得ない時代になっているのだろうと思います。

ブログを書く中で、自分について悩む若者は増えているのだろうか?という疑問を持ちました。なんとなく増えているような気はするけれど、自信はないなあと思い調べてみました。参考にしたのは世界青年意識調査という調査です。1972年から5~6年おきに各国で行われており、現在第8回(2007年)までの結果が公表されています。1~8回まで継続して行っているのは日本とアメリカのみですが、第8回にはイギリス、フランス、韓国なども参加しています。調査結果などは内閣府のHPから見られます。第8回のものは第8回 世界青年意識調査報告書 目次でどうぞ。

第7章の人生観関係というところを見てみると、悩みや心配事の有無、そしてその内容が尋ねられています。自分についての悩みは「性格のこと」「容姿のこと」に入るかと思います。2007年に「性格のこと」と答えたのは14.7%、「容姿のこと」と答えたのは11.1%(複数回答)でした。思ったより多くないな、という感じがしますね。

次は時系列で見てみましょう。第2回からの時系列データも載っています。これを見ると、「性格のこと」は17.5%(1977)→19.5%(1983)→20.6%(1988)→16.0%(1993)→9.7%(1998)→9.8%(2003)→14.7%(2007)と推移し、「容姿のこと」は7.6%→12.2%→16.2%→12.6%→6.7%→6.3%→11.1%と推移しています。性格のことについて悩む若者は、1998年にがくっと下がり、そこからまた2007年に増加したことが分かります。容姿について悩む若者は、1988年まで増え、そこから一旦大きく低下するもののまた2007年に増加しています。

しかし、2007年に悩んでいる人自体が大きく増えたわけではありません。「悩み事・心配事はない」とする人の割合はそれ以前から比べて少し下がっているだけです。第8回には他の悩みもだいたいが増えていますが、自分に関するものはその中でも大きく増えている部類に入るでしょう。

ちなみに、性格については韓国は日本よりわずかに少ないくらいですが、欧米は軒並み数%と低いです。容姿については、韓国の若者はすごく気にしているようです。そしてアメリカ、日本と続きます。ちなみに日本の若者の悩みの第1位はお金です。

数字を紹介するのでいっぱいになってしまいましたが、なぜこのような変化が起こったのか考えてみるととても面白いと思います。就職活動がもたらす影響もあるでしょうし、自己啓発が流行したことも背景にあるのかもしれません。また第2回や第3回調査での性格の悩みと現代の性格の悩みでは、内容も随分違うでしょう。いつか調べてみたいです。

それにしても、バブル期は幸せな時代だったんだなあ。